🍎第4章 栄養学から見た脳を育てる食材と避けたい成分

子どもの食と栄養

🍎子どもの健やかな成長を支える
  ー栄養と食選択の知識ー
   …積極的に摂りたいもの・控えたいもの…

子どもの脳は生まれてから20歳頃まで成長を続ける重要な時期にあります。この成長期に適切な栄養を摂取することは、健やかな発達を支える基盤となります。しかし、現代の食環境は多様で複雑です。科学的な知識をもとに、バランスの取れた食事と適切な食品選択について理解を深めることで、子どもたちの健やかな成長をサポートしていきましょう。

1.子どもの成長に関わる重要な栄養素

🥣 オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)
    ー脳の発達に関わる成分

オメガ3脂肪酸、特にDHA(ドコサヘキサエン酸)は脳の構造維持と機能に重要な役割を果たします。

📚科学的背景
オメガ3脂肪酸、特にDHA(ドコサヘキサエン酸)は脳の神経細胞膜の重要な構成成分です。一部の研究において、5歳から12歳の子どもにDHAサプリメントを3ヶ月間摂取させたところ、読解力と書き取り能力の向上が確認されたという報告があります。

📚研究の詳細
この研究は、オックスフォード大学主導のDOLAB研究や、同様のオメガ脂肪酸サプリメントを用いたスウェーデンでの無作為化比較対照試験(RCT)によって報告されています。

参考:

  • DOLAB研究(DHA Oxford Learning and Behaviour Study)
     概要ページ: ClinicalTrials.gov ID: NCT01066182
     URL:
    ClinicalTrials.gov
  • DOLAB研究の結果に関するオックスフォード大学
    プレスリリース: University of Oxford 2012年9月7日付ニュース
    URL:
    https://www.ox.ac.uk/news/2012-09-07-omega-3-fatty-acids-could-improve-reading-and-behaviour
  • オメガ3/6脂肪酸サプリメントに関する研究(スウェーデン、2016年)
    研究の出典元: Omega 3/6 fatty acids for reading in children: A randomized, double-blind, placebo-controlled trial in 9-year-old mainstream schoolchildren in Sweden (2016)

※ この分野の研究は多数あり、3ヶ月程度の期間で読解力・書き取り能力の改善を報告する研究は複数存在します。

期待される働き

  • 神経細胞膜の柔軟性維持
  • 情報伝達のサポート
  • 認知機能への寄与(個人差があります)

🐟食材例

  • 魚類:サバ、イワシ、サンマ、サケなどの脂の多い魚(週2〜3回程度)
  • 植物性:くるみ、亜麻仁油、えごま油(適量を)

⚠️注意点
効果には個人差があり、バランスの良い食事の一環として摂取することが大切です。

🥣 鉄分
   ー成長期に不足しやすい栄養素

重要性
鉄分は酸素運搬や神経伝達物質の合成に関わる重要な栄養素です。成長期の子どもは鉄の需要が高く、特に女児やスポーツをする子で不足しやすい栄養素の一つです。

🍳食材例

  • 動物性(吸収率が良い):赤身肉、魚、卵
  • 植物性:小松菜、ほうれん草、大豆製品
  • 吸収を助ける組み合わせ:ビタミン

🥣 ビタミンB群
    ーエネルギー代謝に関わる栄養素

🧠働き

  • B1:糖質代謝のサポート
  • B6:たんぱく質代謝への関与
  • B12:神経機能の維持
  • 葉酸:細胞分裂のサポート

🍳食材例
豚肉、魚類、卵、豆類、緑黄色野菜、玄米など

その他、亜鉛・ビタミンD・マグネシウムなども成長期には重要な役割を果たします。これらも含めて、多様な食品から摂取することが理想的です。

 

2. 食品選択の基本的な考え方

🔍原材料表示の活用法

  • 原材料の確認: 使用量の多い順に記載されているため、最初の数項目をチェック
  • シンプルさの重視: 原材料数が少なく、理解しやすいもの
  • 製造者情報: 信頼できる製造元かどうか

⚖️バランスの取れた食品選択

  • 新鮮な食材を基本に(季節の野菜、果物、魚、肉類)
  • 加工度の確認:できるだけ加工度の低いものを選ぶ
  • 多様性を重視:特定の食品に偏らず、様々な食材を組み合わせる

🧂調味料の選び方
天然醸造の醤油・味噌・酢/精製度の低い塩・砂糖/化学調味料に頼りすぎない調理

3. 食品添加物との向き合い方

✨ 添加物の役割と安全性評価
食品添加物は保存性や品質維持に役立ちます。日本では厚生労働省が安全性を評価し、使用基準を設定しています。

表示の理解と読み方

  • キャリーオーバー: 製造過程で使用され、最終製品では効果を発揮しない微量の添加物
  • 加工助剤: 製造中に使用されるが完成前に除去される
  • 一括名表示: 類似の機能を持つ添加物群(例:調味料、香料など)

現実的な食品選択

  • 🟢 優先して選びたい食品: 新鮮な魚・肉・野菜・果物、添加物が少ない加工食品、地元産・旬の食材
  • 🟡 適度に利用する食品: 冷凍食品・缶詰・調味料など利便性を考慮して利用
  • 🔴 控えめにしたい食品: 高度加工食品、糖分・塩分過多な食品、スナック類

80-20ルールの提案

  • 80%:新鮮で加工度の低い食品
  • 20%:利便性や嗜好を重視した食品

4. 家庭での実践方法

日常の食事作りで心がけたいこと

  • 多様性:いろいろな食材を少しずつ
  • 季節感:旬の食材を取り入れる
  • 手作り:できる範囲で家庭調理を
  • 楽しさ:食事の時間を大切に

賢い買い物のコツ

  • 原材料表示の確認(最初の3〜5項目)
  • 製造日・消費期限の確認
  • 価格と品質のバランス
  • 家族の好みと栄養バランス

情報収集の活用
信頼できる栄養情報を活用し、不明な点は専門家に相談。極端な情報に惑わされない判断力を持ちましょう。

5. 科学的根拠に基づく情報の見極め方

健康情報の信頼性チェック

  • 絶対に〜、確実に〜などの断定表現に注意
  • 〜だけで解決という単純化
  • 科学的根拠が明示されていない主張
  • 恐怖を煽るような表現

情報源
厚生労働省、農林水産省、食品安全委員会、学会・専門機関など公的な発表を参考に。

🌿まとめ

🍋子どもの成長を支える食の知恵

子どもの健やかな成長には、バランスの取れた栄養摂取が重要です。オメガ3脂肪酸、鉄分、ビタミンB群などの栄養素を意識しながらも、特定の食品や栄養素だけに頼るのではなく、多様な食材から栄養を摂取することが大切です。

  • 科学的根拠に基づいた情報選択
  • 完璧を求めすぎない現実的なアプローチ
  • 家族みんなが楽しめる食生活
  • 継続可能な食習慣の構築

食品添加物についても、過度に恐れることなく、適切な知識をもって向き合うことが重要です。自然=安全、人工=危険という単純な図式ではなく、科学的な安全性評価を理解し、バランスの取れた判断を心がけましょう。

子どもたちの未来のために、今日からできることを少しづつ始めていきましょう。完璧でなくても、継続することで必ず子どもたちの健やかな成長につながります。

 

【この記事の作成にあたり参考とした公的資料】

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